大槻先生との出会い

私は早稲田大学では経済学を専攻しましたが、
大学1年生の教養課程で、あの名物教授の火の玉博士に特殊相対性理論の講義で1年間お世話になりました。

驚いたことに、火の玉博士は実に話し方が上手でした。
一般的に理系の研究者に多くみられる、口下手で朴訥とした必要最低限のことしか話さないタイプではなく、聞き手の興味をそそり、ウィットに富み、深遠な科学の世界に導く水先案内人でありました。

私は文系ながら大学入試を数学で受験した変わり者ですが、火の玉博士も理系ながら文系脳を持った変わり者でした。学生諸君にお伝えしたいのですが、出来れば、文系脳と理系脳の両方を備えていることが肝要なのです。

あのアインシュタインも物理学者であると同時に立派な哲学者でしたが、ギリシャ時代の昔から科学と哲学は切り離せない関係にありました。哲学と言えば立派な文系学問ですが、アリストテレスに始まる形而上学は、哲学の他、心理学、宇宙論、神学に広く関わる学問であり、其々が宇宙の根源を探求するアプローチの一つとなっています。
学問、教育の本来の健全な姿とは、高い次元で「言語と抽象的思考」「左脳と右脳」のバランスが取れることです。

私が考える教育とは、文科系とか理科系の枠の中に納まるような狭義の学問ではなく、高い次元でバランスのとれた人財育成を指すものです。私はいつも「人材」ではなく「人財」という字を使うことにしています。
人は駒ではない、命は宝です。

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